日本の温泉2
日本列島の成り立ち、日本の火山帯、泉質と温度、温泉の分類について。
日本列島の成り立ち
日本列島はアジア大陸から分離してその東側にある日本海溝に向かって漂流を続けてきた。この移動あるいはそれに伴う変動の時期は
ジュラ紀
以降で、現在まで知られている限りでは、この紀の前後3回にわたって起った。放射能同位元素による測定では、現在より1.8億年前のジュラ紀初期に日本列島の東方移動が始まったと算定された。
日本列島がアジア大陸から分離漂動しはじめた時期はジュラ紀初期であると考えられるが、
三群変成岩
や
飛騨変成岩
と呼ばれるジュラ紀以前の岩層はその生成地でもある朝鮮半島の北東部または沿海州の地質分布に似ている。このことから、どのように移動したかが考察される。
このような古生代末からジュラ紀初期にわたって生じた地殻の変動は、環太平洋褶曲地域において広く行われたらしく、例えば北アメリカ大陸のカリフォルニアの海岸山脈やシエラネバダ山脈などでも、日本列島と似た地殻変動によって日本列島と似た変成岩の生成が知られるにいたった。
日本列島では、第1回の地殻変動以降絶えず西から東へ漂流を続けていたと考えられるが、その陸地移動の形式は、風によって生じた湖面のうねりの動くように西側が少しづつ日本海側に没していくと同時に、太平洋側はわずかづつ海面上に陸地としてあらわれていったらしく、その結果、第1回の古期変成岩は日本海側にわずかに残存している程度であるのに対し、第2回の変動期、すなわち
白亜紀中葉の造山帯
は、前回の造山帯の東側より太平洋側に広く見られるようになった。その結果西南日本では、いわゆる内帯、外帯の区分が明らかに認められるようになり、この時期の所産である領家変成岩、三波川変成岩が帯状に分布するにいたったが、これら変成作用は東に伸びて関東地方から東北地方まで広く見られ、いわゆる白河盛岡構造線の東側阿武隅山地では、特に阿武隅主要変成帯と呼ばれてい
る。
また、この変成岩作用は北海道にも波及していることがわかり、こ
れが北海道の脊梁山脈を作る地域の両側に神居古たん(低温型)、東
側に日高変成岩(高温型)が断層をもって接しているが、ここでは西
南日本や阿武隈山地とは逆な形で配列されている。
この第2回の造山期には、超塩基性岩の貫入が各地に広く認められて
いるが、さらにこの運動の終末期近くには、花崗岩が広く入り込み、
東北日本においてはこの花崗岩が現在の基盤岩となっているようで
ある。まt,特記すべきことは、この花崗岩の入り込み後、
フォッサマグナ
を境とし西南日本は東南に約10度回転し、また東北日本は
西北に約40度回転しつつ、日本海側に向かって約10度傾動して、現
在日本列島に見られるような逆「く」の字型孤形とるにいたったと思
われることである。
日本の火山帯
現在日本列島に見られる火山脈は、ほとんど第4紀後半の初期のもの
で、岩質は玄武岩、安山岩および石英安山岩などである、
第4紀火山のうち、岩質の似たもので地形的に関連性のあるものを火
山脈と呼んでいる。
千島火山帯
北はカムチャッカから千島列島を経て、北海道中央部の大雪山に至
る間に、約120の火山がある。岩質の大部分は、輝石安山岩であるが、
千島北端のアライトではカンラン岩およびアルカリ玄武岩を産し、
また、北海道十勝岳では角閃安山岩を産する。
那須火山帯
鳥海火山帯
富士火山帯
乗鞍火山帯
北日本アルプス地帯を占め、北は立山、大池(白馬岳北東)付近から
南は御岳山にいたる割合狭い範囲のものである。特徴としては、基
盤地形の凸凹がしいのか、あるいは噴出熔岩が少量のためか、明瞭
な火山地形を造っていない場合も多く、時にはまったく地熱地帯の
みを形成して噴出岩は地表ではほとんど認められない場合もある。
この火山帯の岩質は、主として輝石安山岩、角閃石安山岩、黒雲母
安山岩などであるが、このうち黒雲母安山岩はフォッサマグナ以東
には産出しない岩質である。
大山火山帯
日本海西南部火山帯
霧島火山帯
瀬戸内火山帯
温泉の発生
温泉がある地域に発生するためには、マグマからの高温ガスがその
付近に存在すること、また、そのガスが地表近くまで上昇する割れ
目があることと、高温ガスが地表近くで熱交換をおこなう地下水が
存在することなどが必要条件である。
現在見られる温泉の分布と、第4紀火山岩との関係を調べると、大部
分の温泉は火山岩噴出地帯に近接した地域から湧出している。油田
系やガス田系のものもある。
温泉の存在にもっとも大切なことは、温泉を作るものは熔岩からの
伝導熱ではなくて、マグマから放出される高温高圧のガスの上昇に
よる熱交換であるということである。
泉質と温度
、圧力、地下水の関係
泉質:ガス温度:反応箇所:圧力が不圧または被圧:地下水の量
強酸性泉
:非常に高い:深部または浅部:被圧:中から小:火山地
帯に多い、多量湧出の時は反応箇所が広い。
塩類泉
:中から高:深所または中深:被圧:中から多
弱塩類泉
:中から低:中深から浅所:被圧から不圧:多い
単純泉
:低い:浅所から中深:不圧または被圧:甚だ多い
地表から流れ込む地下水と上昇するガスの量と温度との相関関係な
らびに温泉の生成深度などにより、泉質は非常に異なってくる。
温泉の分類
地質学的分類
地質構造を主として分類すると
1.
火山泉
:火山の噴火口またはその近くにある主として酸性泉
2.
層状泉
:地積層の空隙中に層状にあるもので大型温泉に多い。
3.
裂こ泉
:断層や割れ目から湧出するもので、大部分の温泉はこれ
である。
温泉の地質学的成因と流動を考えたもの
1.
処女水型
:温泉はマグマの凝固水と考えたもので、実際にはほと
んど存在しない。
2.
循環水型
:地熱と地下水が混合して生じると考えたもの。
3.
化石水型
:石油やガス鉱床を含んでいる地層中に閉塞された形の
もの。
物理学的分類
温泉の温度のみを主とした分けかた
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1
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冷鉱泉
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摂氏25度以下
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2
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低温度泉
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24から35度
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3
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温泉
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32から44度
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4
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高温泉
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44度以上
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医学的分類
臨床緊張度による分類
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緩和性
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単純泉、食塩線、重曹泉、黄硝線、石膏泉、放射能泉
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緊張性
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酸性泉、硫黄泉、単純炭酸泉、炭酸泉、炭酸鉄泉、緑ばん泉、明ばん泉、含炭酸土瓶泉
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化学的分類
水素イオン濃度による分類
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PH2
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強酸性泉
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2-4
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酸性泉
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4-6
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弱酸性泉
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6-7.5
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中性泉
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6.5-8.5
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弱アルカリ泉
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8.5-10
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アルカリ泉
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10-
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強アルカリ泉
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化学的組成によるもの
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泉質
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主な入浴効果
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代表的な温泉地
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1.単純泉(硬水に等しい単純重炭酸土類泉もこれに加える)
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神経痛、リュウマチなど
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2.
単純炭酸泉
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高血圧症など
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3.
重炭酸土類泉
(炭酸土類泉、食塩含有重炭酸土類泉、ボウショウ含有重炭酸土類泉)
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4.
重曹泉
(食塩含有重曹泉、ボウショウ含有重曹泉、食塩ボウショウ含有重曹泉、土類含有
重曹泉)
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皮膚病、やけどなど
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5.
食塩泉
(炭酸含有食塩泉、強食塩泉、弱食塩泉、重曹含有食塩泉、ボウショウ含有食塩泉、
塩化土類含有食塩泉、石膏含有食塩泉、土類石膏含有食塩泉、臭素含有食塩泉、沃素含有
食塩泉、臭素沃素含有食塩泉)
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神経痛、リュウマチなど
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6.
硫酸泉
(ボウショウ泉、石膏泉、正苦味線、食塩含有ボウショウ泉、食塩含有石膏泉、食
塩含正苦味線)
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動脈硬化症など
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7.
鉄泉
(炭酸鉄泉、緑ばん泉、塩化物含有鉄泉
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8.
明ばん泉
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慢性皮膚病など
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9.
硫黄泉
(イオウ泉、硫化水素泉)
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動脈硬化症など
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10.
酸性泉
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慢性皮膚病など
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11.
放射能泉
(財)放射線影響研究所へ
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動脈硬化症、通風など
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